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「台湾と北九州市のスタートアップ・エコシステムの交流可能性」に関する調査研究

執筆者 岸本 千佳司、ドミンゲス・アルバロ
所 属 アジア成長研究所
発行年月 2023年3月
No. 2022-12
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内容紹介

本報告書は、公益財団法人アジア成長研究所(AGI)の受託調査研究プロジェクト「台湾と北九州市のスタートアップ・エコシステムの交流可能性」に関する成果報告書(2022年度実施分)である。近年、国内外で起業奨励とスタートアップ育成の土台として「スタートアップ・エコシステム」の構築が重視されている。エコシステムの構成要素には、起業家・スタートアップおよびそれを取り巻く起業カルチャーやコミュニティーに加え、これを育成・支援する各種アクターが含まれる。政府機関、大学・研究機関、既存企業(特に大企業)、ベンチャーキャピタル(VC)のような投資家・資金提供者、そしてインキュベータやアクセラレータのような育成機関である。

本調査研究では台湾に焦点を当てる。台湾は、近年、半導体・電子産業およびデジタル産業分野でも成長著しく、一層の発展と産業の新展開を目指して、スタートアップ創業、大企業とスタートアップとの協力促進、アクセラレータのような支援機関による活動も非常に盛んである。本研究の特徴は、台湾と北九州市との交流可能性を検討するにあたって、台湾の中でも相対的に後発である南部地域に関心を持つことである。とりわけ、南部地域の中心地の1つである高雄市にフォーカスする。同市は、重化学工業等の従来型産業を主体に発展してきた歴史があり、北九州市とも共通点が多い。また、近年、ソフトウェア、デジタル技術、5G、AI、IoTのビジネスを奨励し、その担い手である北部のハイテク大企業、国際的大手企業に加えスタートアップを誘致・育成しようと努めている。これと地元の従来型企業を連結し、DX推進を図ると同時に、スタートアップに対しても成長のチャンスを与えることを狙っている。