刊行物
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執筆者 | 唐渡 広志、八田 達夫 |
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発行年月 | 2025年 3月 |
No. | 2025-05 |
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本論文は、コロナ禍前後のデータを用いて、リモートワークの普及が日本の主要都市における集積の利益と生産性に与えた影響を分析する。対象は札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6都市である。
リモートワークにより物理的近接の重要性が低下し、巨大都市から地方都市、都市中心部から周辺部への労働力移動が生じた。本稿では、集積の利益がオフィス賃料に反映されることを利用し、ヘドニック法を用いて企業の空間需要と生産性の関係を分析した。
その結果、仙台を除く全都市で生産性の上昇が確認され、特に札幌と福岡での伸びが顕著であった。さらに、コロナ後の期間においては、局地的な集積の生産性への効果が有意に高まっていたことも示された。