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【動画アーカイブ】AGIセミナー『自動車の完全自動運転下における損害賠償ルールと安全性能の選択』のアーカイブ配信を開始しました

2023年5月12日(金)にオンライン開催したAGIセミナーのアーカイブ配信を開始しました。
動画は下記リンクからご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=VtR5PLKXGik 

テーマ:自動車の完全自動運転下における損害賠償ルールと安全性能の選択

要旨:完全自動運転自動車が社会に普及した場合、事故確率や被害額は自動車性能のみによって決まるため、事故責任は自動車性能のみに帰する。このため、 被害額の負担について、損害賠償制度による解決に加え、製造物責任による 解決が可能となる。事故被害の負担ルールは、自動車製造業者や自動車利用 者の安全性能の選択や利用者の自動車利用頻度に影響を与える。Shavell (2020)は、自動車利用者の意思決定に焦点を当て、ファーストベストを実 現するためには、事故当事者が自分の被害額を自己負担するとともに、相手 の被害額を政府に支払う損害賠償制度(Shavellルールと呼ぶ)が必要なことを示している。本論文で、Shavell (2020)を安全性能の技術開発を考慮したモデルに拡張すると、ファーストベスト実現のためには、(1) 個人の効用 関数が同一の場合、Shavellルールでは、過大な安全性能技術が開発される ため、安全性能に応じた自動車購入税、あるいは、技術開発税の導入が必要、 (2)このとき、自動車利用に応じたフェアプレミアムな損害保険が利用可 能な場合には、(1)と同等の政策が必要、(3)効用関数に異質性があると、 技術開発のインセンティブを強める必要が生じる場合があり、その場合、自動車購入補助金、あるいは、技術開発補助金への変更が必要、(4)製造物責任制度の下では、自動車利用税及び自動車購入補助金の実施が必要となるこ とを示す。

言語:資料・報告ともに日本語

報告者:吉田 惇 氏 東北学院大学経済学部 准教授

 

更新日:2023年11月9日
カテゴリ:セミナー