2026年10月5日(月)に開催した所員研究会のアーカイブ配信を開始しました。
動画は下記リンクからご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=zLK_O5xHviU
テーマ:「就労給付」の導入と所得捕捉の強化
報告者:アジア成長研究所 理事長 八田 達夫
要旨:
社会保障国民会議において、「給付付き税額控除」に代えて、税額控除と組み合わせない「給付のみ方式」の採用が決定された。両者はいずれも「就労給付(in-work benefit)」に分類される。本稿は、日本における就労給付導入の具体的手順を提案する。
就労給付の第一の目的は、貧困率の引下げである。可処分所得でみた日本の相対的貧困率はOECD加盟国中3番目に高く、若年層の未婚率上昇や少子化を引き起こしやすい状況を作り出している。高い貧困率の要因には、所得捕捉の精度が低いために、国民年金保険料など高い社会保険料を低所得者にも課していることが挙げられる。
第二の目的は、危機時における低所得者支援体制の整備である。コロナ禍では所得捕捉体制が不十分であったため、総額約13兆円を投じて全国民に一律10万円を給付したが、完了までに約4か月を要し、低所得者への重点化もできなかった。災害やパンデミック、物価高騰などに備え、低所得者へ直接かつ迅速に給付できる体制を平時から整えておく必要がある。
これらの目的を達成するためには、所得捕捉の精度向上が不可欠である。就労給付の導入は、韓国等のようにデジタル技術を活用して自営業者の所得捕捉を飛躍的に改善する好機と捉えるべきである。 本稿では、諸外国の所得捕捉手段を検討したうえで、日本における所得捕捉体制の整備を示し、イスラエルや韓国で行ったように、その整備段階に応じて就労給付の対象を段階的に拡大する具体策を提案する。
言語:報告、資料ともに日本語
資料:https://drive.google.com/file/d/1HqyZ_W4YUqHQu6P5X-VpIjWid7xFZQd9/view?usp=sharing
更新日:2026年10月16日
カテゴリ:セミナー