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世界経済の収束性と九州経済

執筆者 坂本 博
所 属 アジア成長研究所
発行年月 2021年3月
No. 2020-07
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内容紹介

公益財団法人アジア成長研究所は,東南アジア諸国を含む東アジア諸国の経済社会発展に関する諸問題を研究し,関連する諸事業を実施し,その研究成果を地元行政や経済界で利用していただくことを目的としています。グローバリゼーションという大きな潮流の中で,地元経済に与える影響も日増しに高まっていくことが予想されます。そのため,東アジア諸国の研究を進めると同時に国内ならびに地元経済の動向についても研究していく必要が生じております。

本調査報告書は,このような地元経済の動向を把握する目的で,令和2年度は研究プロジェクト「世界経済の収束性と九州経済」を実施しました。研究代表者のこれまでの研究成果を踏まえたうえで,世界経済の成長と収束性を分析し,世界の中の日本経済の位置づけを示しました。具体的には,世界経済の所得分配構造を推定するアプローチを採用し,各国・各地域の所得分配構造を相対所得を基に階層分類し,所得階層の変化を集計し,確率モデル(推移確率行列)を推計しました。そして,これまでの研究と同様に,所得分配の収束分布を示すことで,研究を進めております。その中で,日本の地域経済についても,階層分類を行い,階層変化を分析しております。

コロナ禍といったかつてない大変な状況ではありますが,本報告書が,地元北部九州経済の動向を知るための資料として,地元の発展にいささかなりとも貢献できることを願うものであります。