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東アジアにおける貿易パターンと直接投資: 日本製造業への影響

執筆者 伊藤 恵子
発行年月 2003年 5月
No. 2003-03
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内容紹介

1980年代後半以降、日本企業は特にアジア地域への直接投資によって海外生産を増加させながら、世界的な生産体制を構築してきた。1980年代前半の日本企業の対外投資は、主に欧米諸国との貿易摩擦回避やEU(欧州連合)市場統合を睨んだ市場確保などを目的としたものであった。しかし、1985年以降の急速な円高の進行により、対外投資や海外生産のコストが低下したこと、そして日本の賃金水準が国際的に割高になったことにより、日本企業はより安い労働力を求めてアジアへの直接投資を活発化した。90年代に入ると、中国の改革開放政策の強化を受け、また中国沿岸部の所得水準上昇といった状況の中、中国への進出が活発に行なわれるようになった。