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経済発展と国際人口移動:「中国新移民」の移出地構造の変動

執筆者 戴 二彪
発行年月 2003年 7月
No. 2003-14
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内容紹介

本稿は、1970年代末以降、増加しつつある中国から海外への国際人口移動に着目し、中国新移民の出身地構造の特徴、変化および規定要因を検証した。主な分析結果は次の通りである。(1)1990年頃までの中国新移民の移出中心地は上海・北京など高所得地域であったが、中国の経済発展に伴って、主な移出地はその他沿海諸省など中所得地域へ変化している。(2)地域所得水準は、(海外への移動能力の高い)高学歴者の比率および地域の対外貿易・外国直接投資水準との相関関係が強く、省別国際人口移出規模にプラスの影響を与えている。ただし、その影響は近年、低下する傾向にある。(3)このようなトレンドは、中国の人口センサスデータから見た対世界移動と日本の統計から見た対日本移動のいずれにおいても観察されているが、対日本移動の場合、移出地域から日本への距離の影響が顕著で、この数年は東北3省からの出身者が急増している。