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北九州市における情報サービス業とインキュベーション施設入居企業の現状

執筆者 中澤 高志
発行年月 2006年 12月
No. 2006-31
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内容紹介

本稿の目的は,北九州市の情報サービス業に関する実証的な検討を通じ,今後の同産業の振興に資する基礎的な知見を提示することである。九州の情報サービス業は福岡市への集中が著しく,北九州市は人口規模の割に情報サービス業の集積が貧弱である。また,情報サービス業の開業率がきわめて低く,廃業率が開業率を上回っている点も課題である。北九州市の情報サービス産業においては,ゼンリンが重要な位置づけを占めているが,市内のICTベンチャーとの取引はほとんど無い。北九州市は,情報サービス業を成長産業と位置づけ,積極的な支援を行っている。インキュベーション施設の整備は,その一つの柱である。現在インキュベーション施設に入居している企業は,入居自体が信用につながることや,さまざまな支援が受けられることなど,入居にメリットを感じている。一方で,入居企業の中に不満や要望の声があることも確かであり,入居企業間の連関も,今のところ限られた範囲,限られた内容にとどまっている。