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インドネシアにおける世帯主の教育水準と貧困削減

執筆者 本台 進
発行年月 2007年 12月
No. 2007-28
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内容紹介

インドネシアにおいて貧困世帯になる確率を低下させる要因として,教育レベルの向上が非常に重要であることを明らかになっている。そこで教育の世帯消費支出に及ぼす影響を見るため,中部ジャワ農村,中部ジャワ都市,ジャカルタにおける地域別教育の収益率を計測した。その結果,収益率は中部ジャワ農村より中部ジャワ都市で大きくなり,さらにジャカルタでより大きくなっていた。さらに,地域別就業セクター別に収益率を計測すると,セクターにより大きく異なる。中部ジャワ農村では商業が一番低く,製造業が一番高くなり,一番低い商業と最も高い製造業の差は著しく大きい。中部ジャワ都市およびジャカルタでは,セクター間の差は農村より格段に小さくなった。この計測結果の含意は,農村での教育水準を向上させても,世帯主が農業に就業しているかぎり,世帯所得の上昇につながらないことを意味する。さらに,中部ジャワ農村における世帯主の職業選択行動を分析すると,教育年数の上昇につれて級数的に非農業セクターを選択することが分かる。中部ジャワ都市においてもほぼ同様な結果となった。これにより,教育年数が長くなるほど,より収益率の高い就業セクターへの就業する世帯主の行動が見える。したがって,将来的には,教育年数の長い世帯主数が増加するにつれて,農業就業数が急速に減少し,より収益率の高いセクターで就業することにより世帯所得が上昇し,貧困世帯数が減少すると予想される。