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製造業立地動向と外貿コンテナ貨物流動変化の関係性分析

執筆者 石黒 一彦, 清水 伸雄
発行年月 2009年 3月
No. 2009-10
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内容紹介

近年,国際水平分業の進展に伴って,国際コンテナ貨物量が大幅に増加している。その社会的要請を受け,日本は港湾整備を進めてきたが,企業のニーズの変化を十分に考慮できなかったため,港湾施設の過不足が発生している。本研究では製造業の国内立地の動向と外貿コンテナ貨物の流動変化の関係性を明らかにするため,1993年・1998年・2003年の3時点における都道府県ごとの製造業出荷額と輸出コンテナ貨物量をデータとして用い,クラスター分析により都道府県の分類を行い,その分類を目的変数として判別分析を行った。出荷額や貨物量の統計値のみをデータとして用いたものをCaseⅠ,それらに加えて地元港湾利用率や主要港湾利用率といったコンテナ流動に関するデータも用いたものをCaseⅡとして2通りの分析を行った。対象品目は金属機械工業品,化学工業品,軽工業品,雑工業品の4品目とした。CaseⅠでは,金属機械工業品と雑工業品で60%以上,化学工業品においては80%以上という高い判別的中率を示し,軽工業品においては30%程度と低い的中率を示した。化学工業品は出荷額のシェアが大きい県では貨物量の全国シェアは拡大・低下の変動が大きく,またその他の県で出荷額の全国シェアが低い県では,輸出コンテナ貨物量の全国シェアは出荷額と似たような変動を示した。CaseⅡでは,CaseⅠと比較していずれの品目でも判別的中率は低下した。特に低下が著しいのは金属機械工業品と雑工業品であり,この2品目では出荷額の変動と利用港湾との関係性は大きくない。化学工業品では,判別的中率は低下しているものの70%を超えていた。出荷額の全国シェアが大きく変動していない県では地元港湾の利用率が増加するなど,製造業立地と地元港湾利用との関連が伺えた。