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マルコフ連鎖を用いた中国の省間人口移動と所得格差

執筆者 坂本 博
発行年月 2009年 11月
No. 2009-23
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内容紹介

本研究は、中国の人口センサスなどから得られた省レベルの人口移動表を用いて、 中国の省間人口移動の帰結とそれが省間所得格差に与える影響を、マルコフ連鎖を応用した確率モデルで分析した。人口移動は最終的に広東をはじめとする一部の地域に集中する可能性があり、その結果、省間所得格差の構造が大きく変化することが予想される。しかしながら、このような結果はエルゴード分布まで達する時間が相当長いことから、この結果は若干非現実的な物だと判断できる。一方、マルコフ連鎖を短期的に適応した場合、人口移動後の省間所得格差はある程度解消可能となった。。そのため、中国における短期の格差政策として人口移動政策は奨励すべきだと思われる。