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環黄海圏港湾の競争の現状と協力の課題

執筆者 金 亨泰
発行年月 2012年 6月
No. 2012-07
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内容紹介

この研究は2000年代以後,新たな競争を展開している環黄海圏主要港湾の競争の現状を分析し,それによって展開される将来の構図を展望し,そこから発生すると予想される諸問題を解決して,環黄海圏全体の経済発展を支える核心的な国際インフラである港湾間の国際的な協力関係の構築のための課題について議論する。現在,環黄海圏における最も顕著な現象としては中国港湾の急成長を指摘することができる。それによって,従来,この地域でハブ機能を構築してきた韓国の釜山港や,台湾の高雄港,さらには香港の港湾は危機状況に直面している。ところが,これらの港湾も中国の積極的な成長戦略による危機状況から脱出するための対応戦略を打ち立てている。この研究では,中国や中国を囲い込む近隣諸国の港湾間で展開されている激しい競争の様子を貨物量,施設水準,港湾料金および政策の側面から分析する。それから,将来この圏域が更なる発展を図るためには,現在,展開されている熾烈な競争一辺倒よりは,競争と協力の両方を尊重する体制への転換が必要であることを提示する。