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釜山広域市における資源循環産業育成の政策的課題

執筆者 梁 鎮宇
発行年月 2014年 8月
No. 2014-12
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内容紹介

韓国における資源循環産業の核心である廃棄物管理政策は安全処理期(1980年代),再活用期(1990~2000年代初め),資源循環期(2000年代中半~)へと発展してきた。資源循環産業は緑色成長(GreenGrowth)政策の主な軸である緑色産業育成と緑色技術開発の中心にもあり,廃資源のアップ・サイクリング(Up-cycling)体系構築を通じて緑色強国への跳躍のきっかけになる可能性も大きいと注目されている。実際,緑色成長政策の10大政策方向に緑色技術開発及び成長動力化,産業の緑色化及び緑色産業育成,産業構造の高度化,緑色経済基盤造成などが含まれている。緑色市場を先占するための世界先進国の主導権の争いが激しい中で,資源循環の統合管理体系の構築,市場主導の資源循環活性化基盤の構築,資源循環産業の成長動力化を通じて資源循環型経済・産業を構築する戦略を立てている。

アップ・サイクリングは廃棄物あるいは使用用度のない製品を質的・環境的により高い価値を持った新しい物質あるいは製品に転換する過程と説明されており,最近まで3Rとして代弁されてきた廃棄物管理政策の推進方向設定における大きな転換点になっている。

釜山広域市は資源循環の中心にある再活用を廃棄物減量のための一つの有効な政策として評価・推進している中で,再活用がもたらす産業資源としての価値をも評価することになった。それで,2011年7月,いち早く行政組織の環境緑地局資源循環課に再活用産業係を設置し,廃棄物資源を一つの新しい産業へ育成する方案を模索している。資源循環産業は長く維持されてきている海洋都市基盤の典型的な都市発展ビジョンを持ちながら,新しく要求される時代に相応しい自治体の成長戦略の一つとして検討されている環境産業育成の核心としても認識されている。

本研究の目的は新しい地域発展戦略と戦略産業を模索する必要性のある釜山市における新しい成長産業として検討している資源循環産業を本格的に育成するための政策的課題を提示することである。釜山市の資源循環産業の育成には中長期的ビジョン・推進戦略,特化アイテムの開発,R&Dを含めたパイロット事業の企画などが重要である。また,現在,国との事業で進行中である「釜山資源循環特化団地」造成事業の成功的な推進,零細な地域業者の自生力確保基盤の設計,自動車部品産業中心の再製造産業など高付加価値産業アイテム開発にも力を入れるべきである。さらに,地域構成員が一緒に資源循環型社会形成のために資源循環分野の社会的企業育成にも工夫すべきである。