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日本の高齢者世帯の貯蓄行動に関する実証分析

執筆者 チャールズ・ユウジ・ホリオカ, 新見 陽子
発行年月 2018年 2月
No. 2018-01
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内容紹介

本稿では,日本において、人口高齢化が家計貯蓄率にどのような影響をおよぼしうるのかを検証するため,日本の高齢者世帯の貯蓄行動を分析する、分析には,総務省統計局が実施している「家計調査」およびゆうちょ財団が実施している「家計と貯蓄に関する調査」からのデータを用いる。分析結果により、以下のことが示される。すなわち、(1)日本では,働いている高齢者世帯は正の貯蓄をしているものの,彼らの貯蓄率は若い世帯よりも低い。一方,退職後の高齢者世帯の貯蓄率は大きく負である,(2) 退職後の高齢者世帯が資産を取り崩す向は年々緩やかに強まっており、この傾向は主に社会保障給付の削減によるものである,(3)退職後の高齢者世帯は、資産を取り崩してはいるが、取り崩し率は最も単純なライフ・サイクル仮説が予測しているほど高くはなく、これは主に予備的貯蓄と遺産動機の存在によるものであることが示唆される.