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第12回成長戦略フォーラム(講師:宮田慶一 日本銀行北九州支店長)を開催しました

講演中の宮田氏

第12回成長戦略フォーラム
2015年5月28日(木)18:00~19:00
於:ステーションホテル小倉 4階 豊饒の間

講師:宮田 慶一 日本銀行 北九州支店長
テーマ「地方創生の観点からみた北九州経済の現状と課題」

今回の成長戦略フォーラムは、日本銀行北九州支店長の宮田慶一氏を講師にお迎えし、北九州の経済についてお話いただきました。

宮田氏は北九州市の現状を全国と比較分析をすることによって、北九州経済の発展のために今後どのような課題があるかを示しました。

第一に、北九州市がものづくりの街として現在でも全国的に高い製造率比率を持ち、しかも製造業分野において高い 生産性を持っていることを明らかにしました。政令指定都市間で比べると、北九州市の市内総生産に占める製造業比率は、川崎に次いで2位。また、製造業の労働生産性では北九州市は全国平均より2割以上高いとのこと。北九州市が物作りの分野で生産性をさらに高めるためには、海外を含めて販売先を広域化する必要があることを指摘しました。

講演中の宮田氏アップ第二に、しかしながら、非製造業部門における北九州市の生産性は、全国平均と比べて低く、他の政令指定都市の平均と比べると2割以上低いことを示しました。これは、人口が市内に分散していることが原因であり、小売業などのサービス業が十分集積の利益を得られていないことが生産性の妨げになっている。よって都心のコンパクト化を通じた集積の必要性があると述べました。

第三に、北九州市は高齢化の先進地域であるが、このことを逆手にとって、高齢者ビジネスの活性化を成長の一つの源泉にすべき事を提案しました。北九州市に大きな需要がある高齢者ビジネスの活性化は、この分野における北九州市のサービス産業の生産性向上を促し、北九州市の比較優位を高めることを示唆しました。しかも、50歳以上の東京居住者で、故郷に戻りたいと考えている男性は5割近くいることを示し、北九州市の高齢化サービスの向上は、首都圏からの人の移住を促進する可能性があることを明らかにしました。

 

更新日:2015年6月4日
カテゴリ:セミナー