研究プロジェクト

アジアの経済・社会

「アジアの経済・社会」研究グループでは、東アジアをはじめとするアジア諸国が直面する重要な経済・社会問題に焦点を当てて、その発生メカニズム・経済影響に関する学術研究を行うとともに、国内外の研究者と連携してアジアの共同発展に資するための政策研究も重視しています。
近年では、中国および各国の経済成長の趨勢と影響要因、アジアにおける多国籍企業の経営行動と生産性、アジア諸国の所得格差・貧困問題の影響要因と対策、専門人材の国際移動パターンと人材マグネット都市の形成条件、アジア観光客の消費行動、東アジアの少子高齢化とその経済影響、日・中・韓環黄海地域の経済協力・自由貿易の促進策、などのテーマに沿って学術研究と政策研究を推進しています。

2016年度研究プロジェクト

訪日アジア客の交通手段選択行動に関する研究
概要:
近年の日本において,インバウンド国際観光産業の成長ポテンシャルが大きく期待されている。政府の観光立国戦略の本格的推進に伴い,各地方自治体も,アジア客をはじめとする外国人観光客の誘致を重要な地域振興策の柱の一つとして重視し,空・陸・海の交通インフラの整備を積極的に推進している。本研究では,都市間競争が顕在化している中,効果的な交通インフラ整備戦略の策定に資するために,急増している訪日アジア客の交通手段選択行動に着目し,その行動パターンの国別・個人属性別特徴と影響要因を分析する。
担当:戴 二彪
教育格差:世代間移転の観点から
概要:
近年、国内外において拡大傾向にある所得・資産格差の背景には、人的資本(学歴)においても世代間移転などによって格差が拡大していることが考えられる。本研究の目的は、日本の個票データを用いて、(1)親子間の学歴においてどの程度の相関が存在するのか、また(2)子供の学歴は親の学歴の他にどのような要因によって決定づけられるのかを検証する。分析結果を踏まえ、人的資本における格差、またその拡大を防ぐために、どのような政策が有効なのか、特に、奨学金・教育ローンの拡充の是非などについて考察する。
担当:新見 陽子
東南アジアの製造業における外国籍企業と貿易
概要:
本プロジェクトでは、インドネシア・タイ・ベトナムの製造業における輸出入行動に、外国籍企業がどのように影響するかを検証する。外資籍企業(MNEs)所有の工場や企業は、国際貿易(輸出入共に)において比較的大規模であり、高い生産性を有するなど重要な特性を共有する傾向がある。今年度は、各国ごとに収集された豊富な工場及び企業レベルのデータ分析に基づいた報告書を作成する予定である。
担当:Eric・D・Ramstetter

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比較成長政策

日本は1950年代から1970年代にかけて世界で初めて高度経済成長を成し遂げ、アジア新興国の多くは目下、高度経済成長を経験しつつあります。
「比較成長政策」研究グループでは、アジア新興国が日本の成長政策の成功と失敗から何を学べるか、逆に日本がアジア諸国の成長政策の成功と失敗から何を学べるかについて調査研究を行い、研究成果に基づいて政策提言を行っています。

2016年度研究プロジェクト

教育格差:世代間移転の観点から
概要:
近年、国内外において拡大傾向にある所得・資産格差の背景には、人的資本(学歴)においても世代間移転などによって格差が拡大していることが考えられる。本研究の目的は、日本の個票データを用いて、(1)親子間の学歴においてどの程度の相関が存在するのか、また(2)子供の学歴は親の学歴の他にどのような要因によって決定づけられるのかを検証する。分析結果を踏まえ、人的資本における格差、またその拡大を防ぐために、どのような政策が有効なのか、特に、奨学金・教育ローンの拡充の是非などについて考察する。
担当:チャールズ・ユウジ・ホリオカ
アジアと日本における半導体・次世代産業の新展開
概要:
過去数年間実施してきた台湾半導体IC産業の研究を土台に、半導体・関連産業における近年の環境変化と、これに対する台湾と日本、中国の半導体・関連製品企業の競争戦略と能力構築の取り組みを分析する。ここで注目すべき環境変化(もしくは課題)とは、①中国政府のIC国産化推進政策を背景にした中国企業の急成長、②「ムーアの法則」に沿った微細加工技術推進とは別の形の競争優位探究、③半導体応用製品市場として(「メーカーズ」のようなベンチャー企業による)IoT製品の重要性、④ミニマルファブの事業化等を背景とした日本メーカー復活の可能性、以上である。今後数年をかけ探究していくべき課題だが、H29年度は、このうち①と②に主に焦点を当てる。
担当:岸本 千佳司
ベトナムのヘルスケア
概要:
この調査の目的は、ベトナムの現在の医療制度(健康保険)に関する政策を見直し、ベトナムの健康診断の決定要因を検討することである。第1に、一般的な医療、健康保険、対応する方針、成果についてベトナムの状況を見直し、いくつかの政策提案を提供することである。 第2では、ベトナムの人々の決定要因を出生コホート別に見積もり、2004年から2014年の間に変化があれば分析する。予防策を講じる決定要因に期待される知見は、政策立案者が民間保険部門の成長を促進し、すべての人々の健康保険と保健医療政策を調整するのに役立つだろう。
担当:Tien Manh Vu

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都市と地域政策

「都市と地域政策」研究グループでは、北九州市を事例とした都市の持続可能な発展、そして都市間連携等による北九州地域の経済発展に資するための政策研究を行っています。
前者は、少子高齢化、公共交通、環境技術革新といった課題に重点を置くと共に、同様の課題を抱えるアジア諸国の都市政策にも資する研究を実施しています。
後者は、特に、物流、国際ビジネスといった分野に重点を置いて、環黄海圏(黄海を囲む経済圏)に位置する都市間の連携とその経済発展に資する研究を実施しています。

2016年度研究プロジェクト

高齢者の地方移住を容易にする高齢者医療費の国から市町村へのモデル給付
概要:
国全体の観点から見れば、高齢者がもし希望する場合には、地価が高い大都会から地価が安い地方に移住出来るようにすることが有効な資源配分になる。しかし、現状の医療保険制度の下では、地方都市に老人が移住してくると、地方の自治体は、高齢者医療保険給付の一部を負担せねばならないが、税収増はあまり望めない。このため、地方の自治体は高齢者を歓迎しない。このことが高齢者の全国的観点から見た高齢者施設の最適な立地を妨げている。2016年度の研究では、都道府県別にて国から各自治体に直接支給すべき「モデル給付額」を回帰分析によって求めた。その際、最終的なモデル給付額だけでなく、都道府県ごとに配分されている病床の影響を考慮している激変緩和措置としてのモデル給付額も算出した。2017年度の研究では、上記の研究を市町村ごとへの配分モデルとして再計算する。対象サンプル数が格段に多くなるので、データ収集でもモデル計算でも作業は膨大になるが、市町村行政にとって有用な知見をもたらすことを目的としている。
担当:八田 達夫
日本の都道府県経済のモデル分析
概要:
地域間の経済関係を分析することは重要な研究テーマである。日本の場合、国全体の統計データのほかに各都道府県が統計データを作成しているが、自らの自治体の経済状況には詳しいものの、他の自治体との経済関係についてはあまり精密な情報が得られていないと思われる。これはデータ作成の都合上、幾分仕方がないことである。しかしながら、データが不十分な状況でもこういった経済関係が分析できないかと考える。そこで本プロジェクトでは、経済理論をもとにした分析モデルを構築することで、この問題に取り組みたい。まず、各都道府県のマクロの付加価値および支出情報から経済モデルを構築する。その際、都道府県間の経済活動(物的、人的、金銭的移動)に対し、重力モデルなどの強い仮定を入れることで、モデルを完成させる。また、単に都道府県間に限らず、例えば、九州の各県を1つの地域ブロックにまとめ、地域内の連関と地域間の連関を分析する。
担当:坂本 博
高齢化社会における日本の地域間人口移動に関する研究
概要:
日本の地域間人口移動をみると、移動が発生する年代は、主に高校卒業あるいは大学卒業といったタイミングでの若年者の移動が最も多い。しかし、それ以外では、高齢者の移動も、若年者ほどの際立ったピークはないものの、幅広い年代で地域間の移動を行っていることがわかる。今後日本では、少子高齢化の影響から、若年者の地域間移動は現在よりも相対的には減少し、高齢者の地域間移動は現在よりも相対的に増加する可能性が高い。このような背景から、本研究では、若年者と高齢者の地域間人口移動について、これまでのトレンド分析および最新のデータから、その特徴を明らかにすることを目的とする。さらに、人口移動の要因を分析することで今後の動向を予測し、地方における人口減少対策への政策立案に資することを目的とする
担当:田村 一軌

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2018年11月09日
AGIでは平成27年度より、慶應義塾大学経済研究所付属財政金融研究センター(旧称:一般財団法人統計研究会財政班...

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