研究プロジェクト

アジアの経済・社会

「アジアの経済・社会」研究グループでは、東アジアをはじめとするアジア諸国が直面する重要な経済・社会問題に焦点を当てて、その発生メカニズム・経済影響に関する学術研究を行うとともに、国内外の研究者と連携してアジアの共同発展に資するための政策研究も重視しています。
近年では、中国および各国の経済成長の趨勢と影響要因、アジアにおける多国籍企業の経営行動と生産性、アジア諸国の所得格差・貧困問題の影響要因と対策、専門人材の国際移動パターンと人材マグネット都市の形成条件、アジア観光客の消費行動、東アジアの少子高齢化とその経済影響、日・中・韓環黄海地域の経済協力・自由貿易の促進策、などのテーマに沿って学術研究と政策研究を推進しています。

2015年度研究プロジェクト

九州を訪問する中国人観光客の旅行先選択行動と要因分析
概要:
少子高齢化に伴う国内市場の委縮が懸念されているなか、インバウンド国際観光の推進は、日本の産業構造の転換と地域振興を促進できるだけでなく、日本と関係諸国の国民間親近感や国際関係の改善にも寄与できると考えられる。しかし、九州を訪問する外国人旅行者数がかなり増加しているとはいえ、2012年以降世界1位の国際観光市場国になっている中国からの観光客数は、期待されたほど伸びていない。2013年に、中国は、9,800万人超の旅行者を海外に送り出したが、九州を訪問した中国人旅行者の数はれわずか10万人未満にとどまっている。
本研究は、効果的なインバウンド国際観光促進戦略の策定のため、九州を訪問する中国人客の旅行先選択の特徴と動向を考察し、観光客特性と訪問先特性の両方に着目して中国人客の旅行先選択行動の影響要因を解明するものである。
本研究を通じて、北九州を含む九州地域の中国人観光客誘致対策についてより効果的な提言を行うとともに、国際観光客の旅行先選択行動に関する学術研究の発展にも貢献することを目的とする。
担当:戴 二彪
家計消費・貯蓄行動の国際比較分析
概要:
本研究の目的は、国際比較の観点から家計消費・貯蓄行動について検証し、各国間における消費・貯蓄行動の類似点・相違点を明らかにすることである。具体的には、
(1)家計貯蓄率の決定要因、
(2)社会政策の家計の消費・貯蓄行動や幸福度に与える影響、
(3)遺産動機の家計の消費・貯蓄・親子同居・介護・援助・退職行動に与える影響、
(4)宗教の家計消費・貯蓄行動、労働供給、親子関係に与える影響に関する分析を行う。
担当:チャールズ・ユウジ・ホリオカ新見 陽子

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比較成長政策

日本は1950年代から1970年代にかけて世界で初めて高度経済成長を成し遂げ、アジア新興国の多くは目下、高度経済成長を経験しつつあります。
「比較成長政策」研究グループでは、アジア新興国が日本の成長政策の成功と失敗から何を学べるか、逆に日本がアジア諸国の成長政策の成功と失敗から何を学べるかについて調査研究を行い、研究成果に基づいて政策提言を行っています。

2015年度研究プロジェクト

家計消費・貯蓄行動の国際比較分析
概要:
本研究の目的は、国際比較の観点から家計消費・貯蓄行動について検証し、各国間における消費・貯蓄行動の類似点・相違点を明らかにすることである。具体的には、
(1)家計貯蓄率の決定要因、
(2)社会政策の家計の消費・貯蓄行動や幸福度に与える影響、
(3)遺産動機の家計の消費・貯蓄・親子同居・介護・援助・退職行動に与える影響、
(4)宗教の家計消費・貯蓄行動、労働供給、親子関係に与える影響に関する分析を行う。
担当:チャールズ・ユウジ・ホリオカ新見 陽子
都市化と土地税制・住宅税制および住宅政策:日本と中国の比較
概要:
日本は1960年代以降の急激な都市化にともない、土地税制及び住宅税制からの税収はかなりのものに上った。住宅を都市で供給するため公団住宅、公営住宅、住宅金融公庫の三本柱を据えて積極的に供給した。それは、借地借家法の不備のために、賃貸住宅が十分供給されてこなかったことを補う面があった。中国は、高度成長とともに都市化を体験しているが、地方戸籍の問題など、日本とは異なる制度的な側面がある。また、住宅税制も十分整備されているとは言い難く、地方都市の所得格差のかなりの部分がそのことに基づいている。
本研究では、両国の都市化における住宅政策を比較することによって、それぞれの国の制度をより改善するのに資そうとするものである。
担当:八田 達夫
中華系企業の創業・発展・継続―起業環境と企業の永続性―
概要:
過去2年、中華系企業に焦点を当て、その経営の特徴(オーナー経営者による強力なリーダーシップ、果敢な投資戦略、積極的な人脈・ネットワークの活用等)を明らかにし、それと近年の高い成長性との関係を研究してきた。
これと関連し本研究では、中華系企業の創業・発展・継続(or衰退・消滅)のダイナミズム、とりわけ、(1)起業(創業)環境、および(2)企業の永続性の問題に注目する。
(1)は近年、大中華圏が世界のベンチャー活動の中心地として台頭してきたことを踏まえており、
(2)は、中華系企業の中には、一時的に急成長し注目を集めるもののそれが継続しない事例も多く、そこからの脱却が課題とされていることを念頭に置いている。
本研究では、近年の中華系企業の成長性の高さをこうした企業のライフサイクル的観点から考察する。
担当:岸本 千佳司

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都市と地域政策

「都市と地域政策」研究グループでは、北九州市を事例とした都市の持続可能な発展、そして都市間連携等による北九州地域の経済発展に資するための政策研究を行っています。
前者は、少子高齢化、公共交通、環境技術革新といった課題に重点を置くと共に、同様の課題を抱えるアジア諸国の都市政策にも資する研究を実施しています。
後者は、特に、物流、国際ビジネスといった分野に重点を置いて、環黄海圏(黄海を囲む経済圏)に位置する都市間の連携とその経済発展に資する研究を実施しています。

2015年度研究プロジェクト

公害防止協定における経済的インセンティブ:日本の経験とアジアへの適応可能性
概要:
公害防止協定を締結するにあたっては、企業にどのような経済的インセンティブが働いているのか、あるいは、地方公共団体は企業に対してどのような経済的インセンティブを与えているのか。
本研究の目的は、第一に、我が国の豊富な事例を用いて、公害防止協定における企業への経済的インセンティブの有無とその効果について調査すると共に、公害防止協定がもたらす公害改善効果を明らかにする。
第二に、公害防止協定をアジア他国に適用する場合の条件について考察する。PM2.5のような大気汚染物質は、越境して他国に影響をおよぼすため、公害防止協定のような日本の経験を活かせるならば、当該国のみならず、日本にとっても有益となる。
担当:今井 健一
北九州の人口動態と都市構造に関する研究
概要:
本研究では、人口減少社会における集約型都市構造のありかたを、北九州市を事例に分析する。
まず、地理情報を持つ小地域の人口統計データを用いて、市内の人口動態の詳細な分析を行い、その動向を把握・整理する。
それとともに、これまでに構築した北九州のまちづくり地理情報データベースを更新し、居住環境に関わるデータなどを用いて、アクセシビリティなどからなる小地域のポテンシャルを表す客観的な指標を提案する。
担当:田村 一軌
日中韓三国間の自動車部品貿易と物流の動向変化に関する調査報告
概要:
最近の日中韓3国間の自動車部品貿易動向に大きな変化が生じている。既存の自動車産業先進国である日本の場合、2011年の東日本大震災による自動車部品生産ラインの途切れをきっかけにして両国に対する輸出量の減少が顕著になった。一方、同時期に中国と韓国では自動車および部品産業の技術力向上によって日本の部品調達量が激減している。
本研究では、このような日中韓域内貿易と物流の変化を調査分析し、今後の日本および九州地域の自動車関連産業の展望を行うことを目的とする。具体的には、
(i) 貿易・通関統計を用いた3国間の自動車部品貿易および物流量の変動調査、
(ii) 現地調査によるその要因分析、
(iii) 日本および九州地域自動車部品に与える示唆点について論じる。
担当:韓 成一
日韓海峡圏のシームレスSCM直送物流による物流と産業の融合による成長戦略のための共同研究:韓国釜山新港と九州山口港地域
概要:
高速船による日韓シームレス物流は円安においても順調である。EUと比較すると障壁が多く利用拡大が進んでいないが、中国~韓国~日本のTSルートでの輸送や、EU並みの大型機材の活用、さらに九州における高速船航路の検討などの動きがある。またASEANが2015年末に行った経済共同体の規制緩和(ワンストップ処理等)により、同地域における高速船利用拡大の期待もある。
本研究ではEUをベンチマークとしてアジア全体での利用促進も見通しながら、北九州港も含めた航路、すなわち関西~九州(北九州)~対馬~釜山・馬山・群山・仁川~中国のTS(更に北米・アジア・アフリカ等へTS)航路の可能性を検討する。その際に、大型機械(造船・エネルギー等)や木材・タイヤ、さらにアパレル・宅配等の協同集荷が鍵となる。
担当:藤原 利久

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2017年2月09日
1月20日(金)にAGIと(一財)統計研究会・財政班共催で「財政学に関するコンファレンス」を2年連続で北九州市...

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