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東アジア経済の成長パターンと相互依存に関する計量経済分析

執筆者 尾崎 タイヨ, 山田 光男, 木下 宗七, 根本 二郎
発行年月 2002年 5月
No. 2002-14
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内容紹介

東アジア経済を構成する各国・地域は、1970年代以降、とりわけ1980年代半ばから進展した貿易と直接投資を通ずる国際経済のネットワーク化に支えられ、世界の他の地域に比べて相対的に高い経済成長を実現し、「東アジアの軌跡」と称賛され、「世界経済の成長センター」として注目を浴びてきた。しかし、1997年のタイ・バーツの大幅な切下げに始まり、韓国、インドネシア、マレイシアに伝播した「アジア通貨・経済危機」は、これら諸国の金融構造の脆弱性を露呈するとともに、これまでの高成長の基礎となってきた直接投資依存型の工業化と成長パターンの有効性と限界を明らかにした。そして、東アジア経済が今後も成長と発展を持続していくためには、経済改革と構造調整を通じて、世界経済のグローバル化に対応できる経済政策と制度を作り上げていくことが不可欠であることを教えてくれた。